出典:一般社団法人・原子燃料政策研究会
化石燃料の意味と、その種類について調べてみました。
原発事故があって以来、エネルギー問題がさらに議論されています。
新エネルギー、再生エネルギーなど様々なエネルギーが
取りざたされてますが、まずは従来からのエネルギーである
化石燃料をいま一度チェックしてみましょう!
化石燃料の定義
まずは化石燃料の定義からです。
化石燃料とは、化石となった有機物のうち
人間が現代生活を送る上で燃料として用いるものです。
まあ、ここでまた疑問が生まれてくるのは、
じゃあ化石って何なのよ?ってことですかね(笑)
化石というとアンモナイトや恐竜を思い浮かべますが、
要は動物や植物が古代から残してきた痕跡であり、
具体的には動植物の死骸や排泄物などが堆積したり、
地熱により圧縮等の変形を遂げたものと言えます。
化石燃料というとすぐに思い浮かぶのが石油なので、
なんとなくドロドロして人工的なイメージですが、
極めて自然物としての古代からの贈り物なんですよね。
化石燃料の種類は?
化石燃料が絶対的に何種類と言い切っている資料は
なかなか見つからないのですが、代表的なものとしては
5種類あります。
既存エネルギーとしての、石炭、石油、天然ガスです。
また昨今ではメタンハイドレートやシェールガスなども
実用化に向けて研究が進められています。
それぞれ簡潔に解説します。
石炭
石炭の正体は植物化石です。
すなわち植物が完全に分解される前に堆積されて
化石化したものです。
石炭は20世紀初頭まではメインの燃料でしたが、
石油が安価で取引されだすと表舞台からは降りました。
とはいえ1973年のオイルショック時や産油国の情勢が
不安定で石油が値上がりした時などはもちろん、
現在でも実は主要燃料として活躍しています。
どちらかというと燃焼した時の二酸化炭素排出量の多さから
環境面で敬遠されている部分が大きいです。
石油
まだまだ現在でもメインのエネルギーが石油です。
主成分は炭化水素です。
石油というだけあって油ですので液体です。
石油の話題で気になるのが埋蔵量ですが、これについては
その都度変化があります。
1973のオイルショック時点では残り30年という説が有力でしたが、
現在では、なんと増えて40年分あると言われています。
原因は新エネルギーの発見や採掘技術の向上などが
挙げられています。
天然ガス
燃料としての天然ガスは炭化水素ガスのことです。
天然ガスの成分は、産出地により割合にばらつきはあるものの、
主にメタン、エタン、プロパン、ブタン、ベンタン、などの
炭素化合物が含まれていますが、少なくとも8割以上はメタンです。
天然ガスは燃焼した時に二酸化炭素排出量が石油よりも
少ないことから環境面でよいと言われたこともありますが、
メタンの地球温暖化への影響が大きいことから、
現在では石油と比べて環境に優しいとは一概には言えない状況です。
メタンハイドレート
この動画の内容はかなりの暴露系です!(5分28秒ごろから)
メタンハイドレートは私のイチオシエネルギーです(笑)
理由は極めて日本周辺に多く埋蔵しており、
埋蔵量も少なくとも100年分、多く見積もると無尽蔵と
言われているからです。
成分は文字通りメタンです。
通常は固体で、見た目は氷に似ています。
燃焼するとメタンと水が生成されるわけです。
メタンハイドレートの研究は現在フェーズ2に入っており、
一応2018年には実用化できるとの目論見のようです。
ぜひ国益を考えて、正当な方法で開発、そして実用化を
実現していただきたいものです!
シェールガス
シェールガスは天然ガスの一種ですが、
従来のガス田とは異なる場所から生産されるので
天然ガスとは分けて考えるケースが多いです。
名前の由来は、単にシェール層(頁岩層)から採取されるから
そう呼ばれています。
で、このシェールガスはアメリカがメインで開発しているのですが、
もしシェールガスが輸出できるレベルまでの埋蔵量と、
採掘の採算性が出てくれば当然アメリカの一番のお得意様は
日本になりそうですよね。
だとしたら・・・
アメリカにとっては日本がメタンハイドレートなるものを
実用化されてしまっては困るという側面も出てくるわけです。
また日本がエネルギーを自前で持てるとなれば、
アメリカに依存する部分が少なくなりますよね。
現に第二次世界大戦(太平洋戦争、大東亜戦争)は
いわゆるABCD包囲網によって石油を止められて
開戦したと言われています。
そのエネルギーを日本が自前で持つということは
世界的にパワーバランスが崩れるわけです。
ちょっと話が違う方向に行ってしまいましたが、
エネルギー問題とは国家間の問題であり、
非常にさまざまな要因が含まれていて興味深いです。
職場ではあまり政治的な部分には触れないほうが無難ですが、
私たち日本人の将来に関わることですから、
ぜひ情報には敏感でいることをオススメします!