私の記憶では、はるか昔社会の時間で習ったのは
GNPだったと思います。
その頃は、OPECだのECだのASEANだのアルファベットの
頭文字オンパレードだったわけですが、
GNPも、そのうちの一つでした。
ところがある頃からテレビのニュースや新聞では、
GNPの代わりにGDPという指標が目につくようになりました。
正確にいうとGDPがGNPの代わりの指標だと気づいたのは
しばらく後のことでしたがね。
だって略称って難しくないですか?
例えばWTOとWHOなんて同じ種類に見えますよね。
確かに世界的な機関なんだというところに目をつければ
似ているのですが扱っている分野はまるで違います。
WTO(世界貿易機関)、WHO(世界保健機関)ですからね(笑)
話がだいぶ脱線しましたが、GDPとGNPに関しては
いくら定義を読んでみても、今までほとんど理解できませんでした。
なのでいい加減、両者の違いだけでもマスターしようということで
スーパー不正確な喩えを考えて解説してみます!
GDPとGNPの定義
とはいえ、やはり世間様にお披露目する以上は、
一度はGDPとGNP、それぞれの定義くらいは提示しておきますね。
GDP(国内総生産)とは、国内である一定の期間に新たに
生産された財とサービスの付加価値の合計です。
ここで、よくわからないのは「付加価値」ですよね。
ビジネスの会話では、よく
「これからの商品は付加価値がないと売れないよ」
なんていう使い方をするのですが、正体はよくわかりません。
なので、ココではスーパー簡単に説明します。
付加価値とは、手間だと考えてください。
例えば、
(1)牛丼屋さんが価格Aで牛丼を販売しています。
(2)牛丼屋さんは肉屋さんから価格Bで牛肉を仕入れています。
(3)肉屋さんは国内の牧場から価格Cで牛肉を仕入れています。
(4)牧場では価格Dで飼料を仕入れています。
※それぞれの量は牛丼1杯に使用する量とします。
「牛肉は問屋を通すのでは?」とかいうツッコミはなしで(笑)
ここで単に「生産された」とするとGDPは
GDP=【A+B+C+D】となりそうですが、
なんか腑に落ちなく無いですか?いわゆる二重計上みたいな・・
なので、ここで冷静に考えます。
牛丼屋さんが生み出した付加価値とはなんなのかと。
結論から言えば、牛丼屋さんが生み出した付加価値は<AーB>です。
同じように肉屋さんは<BーC>、牧場は<CーD>、
飼料屋さんは・・・と考えていって、それぞれの付加価値を
合計したのがGDPってことになります。
GNP(国民総生産)とは、GDPに海外からの要素所得の受け入れを
加え、海外への要素所得の支払いを除いたものをいいます。
要素所得、こっちにも難しい言葉が出てきましたね。
これは想像もつきませんでしたので調べました(汗)
要素所得とは、国民によって所有されている労働や資本が
受け取るべき所得です。
つまり日本国民が海外でいただく給与や、海外に上場している
株式の配当、不動産の家賃収入のことですね。
要素所得は、案外わかりやすかったです(笑)
■GDPとGNPの違いに踏み込みます
それでは最後にGDPとGNPの違いをスーバー簡易的に解説します。
GDPとGNPの大きな違いは、経済の規模を考える上で
GDPは「日本」という場所を基準にして考えようと
しているのに対して、
GNPは「日本人」という人を基準にして考えようと
している点です。
例えば、もし私がフィリピンで働いていたとして、
現地法人から賃金を頂いていたとしても、
私の賃金はGDPには入りません。
ところが、私は日本人ですから私が受け取る賃金は
要素所得には入るのでGNPには入るのです。
ということでスーパー簡単にGDPとGNPを理解するのであれば、
繰り返しますが、
【GDP=日本にフォーカス】
【GNP=日本人にフォーカス】
という感覚を持っていればいいでしょう。
となると、国力を図るならGNPのほうがふさわしいと
思うんですがね。
まあ、海外に出ている日本人が日本を裏切らないと
仮定してのことですが・・・
というか、国内にいても日本を裏切っているような人も
中にはいますけどね。。。