ブルーインパルス

安倍内閣になってから、憲法解釈による集団的自衛権の行使
というキーワードが盛んに叫ばれるようになりました。

憲法問題は突き詰めれば思想の問題とも言えますので、
ちょっと職場で話題にするには注意が必要ですね。

とはいえ、基本的な知識はイチ社会人として抑えておきたい
ところです。

ましてやこれから日本を背負って立つあなた世代には
ぜひ簡単にでいいので理解しておいていただければと思います。

ということで、今回は憲法解釈を実質的に変更することにより
集団自衛権を行使するとはどういうことなのか?

それにより何か私たちに影響があるのかを調べました。

しかも、なぜ安倍内閣になってから憲法解釈の問題が
これだけクローズアップされるのか?

これには象徴的な理由があったのです。

このあとすぐにお伝えします。

憲法解釈と集団的自衛権の意味?

そもそも憲法解釈と集団的自衛権とは何なのか?

ここでは、それぞれの用語の意味を噛み砕いて
解説していきます。

憲法解釈とは?

憲法解釈とは、読んで字の如し日本国憲法に定められている
条文の行間を読み取ることにより、解釈によって法的判断
行うことです

意外に思うかもしれませんが、法律の世界では
条文の解釈というのは極めて一般的です。

ある程度柔軟性を持たせずにすべての事案に対して
詳細に条文にすることは現実的ではないからですね。

憲法に集団的自衛権の規定がないから問題と
なっているわけです。

で、さらに問題なのは誰が憲法解釈をするかです。

一応憲法上は、まずは国会にあると定められています。

その解釈が間違っているか否かを最高裁がすることに
なっているのですが、現状国会自体が憲法解釈を
行いません。

実質的には「内閣法制局」が行っています。

この内閣法制局の長たる、内閣法制局長がタイトルに
あった秘密の主です。

この内閣法制局長は、今までは法務省、財務省、総務省、
経済産業省
の中から選ばれるのが習わしでした。

ところが安倍内閣で初めて法制局に勤務経験のない
外務省出身の小松一郎氏という方が内閣法制局長になったのです

お役所というのはこのように前例のないことをされるのが
大嫌いですからね。

そこでことが大きくなっているわけです。

とりわけ象徴的なのが「集団的自衛権の行使」に関して
なんですね。

集団的自衛権とは?

 

ものすごく簡易的に説明しますね。

日本国憲法では憲法9条により自衛権を認めていますが、
そこに同盟国等の他国が攻撃された場合にも出陣すること
まで含まれているのかは明確には書かれていません

そこで、先ほどの解釈が必要なわけです。

その「同盟国等の他国が攻撃された場合に出陣すること」、
「他国の護衛のために日本領土から超えたところで
武力の行使等を行えるとすること」
こそが集団的自衛権です。

従前の日本政府、つまり内閣法制局は、集団的自衛権は
憲法の自衛権には含まれていないとの見解でした。

安倍内閣は憲法解釈により集団的自衛権の行使が
可能になる「可能性がある」と主張しているわけです。

憲法解釈が実質的に内閣法制局によって行われている
ことはさておき、集団的自衛権が行使できることになった場合
国民にはどのような影響が出てくるのでしょうか?

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集団的自衛権が行使できることによる影響は?

あえてここでは私の意見をお伝えしますね。

まず集団的自衛権についてですが、私のスタンスは
集団的自衛権は行使する必要があるというものです。

これは憲法解釈云々の話は別として、例えば友達が
攻撃を受けている時に助けに行くのは普通
じゃない
でしょうか?

もちろん家の中に強盗が来ている時に家族を蔑ろに
してまで隣家を助けに行くというのは本末転倒でしょう。

しかし、自分の家族は一応安全が確保されている。
一方で自分が攻撃を受ければ助けに来てくれる仲間が
逆に攻撃を受けている。

これを助けに行かないとしたら相手はどう思うでしょうか

私は、こう思います。

現状では日米安保条約により、日本が他国から攻撃を
受けた時には米軍が助けてくれることになっています。

でも、もしアメリカが攻撃を受けた時に日本がアメリカを
助けてくれないと米軍人が知ったら(当然知っていますが)
日本の防衛に力が入るでしょうか?

これは「仲間同士は助け合う」という、人としての
根本的な問題
だと思いますね。

実質的には、いざ日本が他国から攻撃されたら、

「でも日本はアメリカを助けてくれないんだよね?」

と日米安保条約を反故にされる可能性だってゼロでは
ないと思いますし、

仮に助けて貰う場合にも

「助けるのはわかりました。でもその見返りは?

と足元を見られる可能性だって十分にありえるわけです。

だとしたら今のうちに集団的自衛権を行使できる
ように法体型を整えて、真の自衛に備えるべきだ

というのが私の個人的見解です。

一方で、集団的自衛権を認めると、例えばアメリカが
イラク戦争に行った時のように、アメリカ自国の領土が
侵害されるケース以外にも戦争の手伝いにいくことなる

という意見があるのも事実です。

このあたりは私は国連の決議さえあれば参戦は逆に
するべき
との見解ですが、アメリカが独自に攻撃にいく
場合にまでアメリカ以外の領土に自衛隊他が胎動するのは
反対です。

しっかり集団自衛権の範囲を規定するのが必要でしょうし、
逆に、規定することによって行き過ぎた集団自衛権の行使を
防ぐことができると思うのです。

今日は熱くなってしまいましたが、とにかく
「仲間が困っているときは助ける」という基本だけは
貫いてほしいと思います。

ちなみに日本国憲法は何条まであるかというと、
たった103条までしかありません。

薄い本で構わないので、日本人として1冊手元に
置いてみてはいかがでしょうか?