TOEICの出題形式が2016年5月29日(日)に実施される回より変更になるようです。
TOEICは数ある英語検定の中でも知名度は最高レベルで、ビジネスに関する英語検定では実質企業が従業員の英語力を測定する上で一番参考にしている検定でしょう。
世界的に見ても150カ国で実施され、年間約700万人が受験しています。採点の公平性を期すため、問題用紙はすべて英語という徹底ぶりです。
そんなTOEICが新TOEICとして2016年5月に生まれ変わるというわけです。
ということで新TOEICでは、どんな部分が変更となるのか、またどんな対策を取っていけばいいのかについて調べてみましたのでシェアしたいと思います。
新TOEIC誕生の背景
具体的内容に入る前に、まずは簡単に、なぜTOEICの出題形式が変更になったのかについて背景をお話したいと思います。
日本でTOEICのテストを運営している一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会によると出題形式変更の理由は下記のとおりです。
ETSでは、TOEICテストが今の時代の英語コミュニケーション状況を反映しているかなど、制作しているテストについては常に検証しています。今回の変更では、過去10年間で頻繁に使われるようになったコミュニケーション方法を選択し、テスト問題の一部として加えることといたしました。
私がコメントするのも何ですが至極まっとうな理由ですね。
実は私の仕事の一つとしてグローバル育成をしている研修会社で記事を書いています。その会社が主催しているセミナーなどに足を運ぶ機会も少なくないのですが、その際に売りにしているのが
「語学力から実践力へ」
というものです。
つまりTOEICのスコアでは語学力は測れるのだけれども、実際に商談の際にTOEICのスコア通りの実力が反映されているかはわからない。さらに踏み込んでしまえば反映されているかは疑わしいと。。。
世間ではそういう批判もあるわけです。
今回の新TOEICは、そのあたりに呼応している形になっているのかと思います。
TOEICって、1979年にスタートしてから今回の改定がまだ2回目なんですよね。1度目は10年前の2006年ですから変更サイクルが短くなりました。
背景がわかったところで、それでは実際にどのへんが変更になったのか見ていきましょう。
新TOEICの具体的変更点は?
※一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会より
出題形式の変更点は上の画像にある通りですが、今回の変更のテーマはズバリ
【よりオーセンティック(実際的)なコミュニケーション】
です。
それらを踏まえた具体的な変更点・傾向は2点。
新しいコミュニケーション形式への対応
私はビジネスで英語を利用することはそれほど頻繁ではありませんが、海外旅行にはよく行き、海外に住んでいる友達も多いです。
彼らとは頻繁に現地にいればSMS(テキストメッセージ)を使ったり、現地でも日本にいても、Facebook、Skype、Viber、LINEなどのチャットなどでコミュニケーションを取っています。
どうやらこれらはビジネスにおいても根付いてきたようで、特に音声会話はSkypeで済ますことも増えました。※私は海外から日本在住のクライアントとSkypeを利用しています。
そのように主にインターネットが普及してきたことによるコミュニケーション手段の転換を新TOEICでは反映されています。
複数の情報から必要な情報を読み取る能力
例えば地図やグラフなどの複数の情報源から得たものを取捨選択し的確に問題と紐付ける能力を測定することを目的としています。
具体的には、問題用紙に印刷されて視覚材料(Visual image)と試験会場のスピーカーから流れてくる会話音声の情報と結びつけて回答していくものが新たに加わります。
以上のことから、どのような点に注意して新TOEICの学習を進めていけばいいかを考察します。
新TOEIC対策の鍵となる学習法は?
えーとですね、英語学習業界は「大変だ、大変だ」と騒いでいますが、結論から言えば、
【あえて無茶苦茶新TOEICの対策をする必要なない】
かなと思います。
英語学習業界が騒ぐのは・・・わかりますよね?
「新TOEIC対応!」とかを謳ったテキストや教材を売りたいから。何も英語の本質が変わるわけではありません。
しいて言えば、生きた英語を話す機会を増やすことではないでしょうか。一番ベストなのは普段英語で仕事をしているネイティブがいたら、彼らとチャットでやり取りしてみることです。
そこでチャットに特徴的な表現方法などがないかなどをチェックすればいいですね。
どうしても周りに英会話をする人がいない場合には、今はオンライン英会話スクールがたくさんあるので申し込んで見るといいです。無料インターネット電話であるSkype(スカイプ)を使って本当に簡単にできますので。
多くの講師はフィリピン人なのはご存知だと思います。以前はフィリピン訛りがどうのこうのと言われていましたが、実態は、一部上場企業の方たちも自主トレーニング、自己啓発に使っているくらいですから全く遜色ありません。
もちろんスクールによって質はあると思いますが、各スクール無料体験プログラムも充実していますし、何しろ値段が安い!
安いが上にスポーツクラブのように、使わないで会費だけ払っているという状況になりがちなので、そこだけはご注意を!
これからドンドン新TOEIC対策系の書籍などが登場してくると思いますが、気になるようでしたら1冊くらいは購入してみる程度で十分だと思います。