私にとってはじめてのドストエフスキーは『罪と罰』でした。
ドストエフスキーを読むことになったきっかけは、
村上春樹の影響です。
もともと私は彼の大ファンで春樹の作品は
よく読んでいたのですが、その作品の中に
ちょくちょく外人の作家が出てくるんですね。
もっとも春樹自身はフィッツジェラルドに傾倒していた
ようですが、そこは少しずらしてみました(笑)
同時に、春樹というとどうしてもアメリカナイズされた
世界観からは脱出できないので、そこも除外しました。
それでは海外の文学作品で、かつアメリカ以外の
もので有名なものはと探していたら、
圧倒的ネームバリューでドストエフスキーが
候補に上がってきたわけです。
フョードル・ドストエフスキーとは?
簡単にドストエフスキーについてお伝えしておきます。
ドストエフスキーは、正式には
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキーで
ロシアの小説家です。
ドストエフスキーの思想としては、知識階級の暴力的な
やり口には否定的だったと言えそうです。
とはいえロシアであり、時代も19世紀のことですので
我々の知らないその次代特有の社会主義的な影響も多々あり
ピッタリこんな感じという思想は語れそうにありません。
ドストエフスキーの思想やその周辺哲学まで研究したら
かなり面白そうですね。
ぜひ時間を見つけてチャレンジしたいと思います!
それではオススメの作品参ります!
ドストエフスキーの初心者にオススメの5冊!
罪と罰
やっぱり最初はこの一冊ですかね。
なんといってもタイトルが魅惑的です!
人間ってやってはダメなことをしてみたいっていう欲求が
どこかにあるじゃないですか。
しかし現実世界で犯罪行為をやってしまうわけにいきません。
そんな人間本来の悪魔の欲求を主人公の大学生
ラスコーリニコフに重ねあわせてドキドキ感を味わえます!
もちろん、何が正義で何が罪なのかについても考えさせられる
社会派の一冊です。
社会人になっても、いや社会に出て少し迷ったら
一度読んでみたいですね。
カラマーゾフの兄弟
カラマーゾフの兄弟はドストエフスキー最後となった
長編小説です。
ボリュームもかなり多いのですが、それに比例して扱う
分野も多いです。
どういうことかというと、思想哲学、ミステリーから
恋愛に至るまで、ひとつのジャンルを当てはめることが
不可能な小説なのです!
いうなれば、人々のすべての悩み、欲望を詰め込んだ
長大ヒューマンストーリーですね。
タイトルのとおり、まったくタイプの異なる
3人の兄弟が欲の塊である父、フョードル・カラマーゾフ
と絡む様を描きます。
高校生以上じゃないと人生ぐれちゃうかもしれません(笑)
白痴
白痴は、ドストエフスキーのその他の作品とは
少し毛色が違います。
主人公のムイシュキンは善人を絵に描いたような人で、
影がないんですね。
ただし、幼い頃から重度のてんかん持ちのため、
子供の頃はずっとスイスで療養所暮らしでした。
この作品でオススメなのはドストエフスキーが
この著書を通してサンクトペテルブルグ社会を
変えようとしたことです。
やはり社会性があり、著者の魂がこもった作品は
後世に語り継がれるものなんですね。
悪霊
悪霊は思想的な側面が強い作品です。
主人公のスタヴローギンは根っからのニヒリストで
世の中のあらゆるものを信じていません。
ニヒリストは虚無主義などとも言われますが
180度「真は力なり」などということわざには
そぐわない質ですね(笑)
そんなスタヴローギンの将来はどうなるのでしょうか?
そして悪霊とは何を意味しているのか?
答えは小説の中にあります!
賭博者
上記の4作品に『未成年』を加えてドストエフスキーの
五大長編などと呼ばれているのですが、
ここはあえて『未成年』を外してみました。
未成年も素晴らしい小説ですので、
その他の、例えば『白痴』や『悪霊』を外しても
良かったのですが、ここは私の好みで・・・
で、賭博者をなぜ入れたかというと、この小説の中には
ドストエフスキーを知るヒントが隠されているからです。
というのもドストエフスキーは重度のギャンブル依存症
だったらしいのですね。
類まれなる小説を書くにはギャンブルの資質が必要なのか?
なんてことになったら小説家を目指すのは躊躇してしまいますが、
お金や異性に関することは、その人のパーソナリティを
知るには一番重要な要素です。
一連の作品を読んでみてドストエフスキーのことが
もっと知りたくなったならぜひ読んでみてください。
もちろん元からギャンブルが好きな人は
この小説の中にかなり共感できる点が含まれるのでは
ないでしょうか。
ドストエフスキーは小説家の中でも、かなり独特で
でも大御所の感があります。
ぜひ感性を刺激するためにも一冊は挑戦してみてくださいね!
職場でも小説の話は気軽にできると思います!!